ちょっとしたきっかけで傷がつくことも
走行中の車には雨、雪、風などによる強い負荷が生じます。そのため車にかかる負荷を正面から受け止めるフロントガラスには耐久性に優れた強靭な素材が使われているのは言うまでもありません。構造面からみてもフロントガラスは2枚のガラスに中間膜を挟んだ3層構造となっており、万が一の際にもバリバリと簡単に割れないような構造となっています。しかし丈夫なフロントガラスといえども、全く弱点が無いわけではありません。ガラスはその特性上、衝撃などによって分子の一点が崩れると全体が一気に崩壊する性質を持っています。そのため一点に強い力がかかる状況にはとても弱いのです。飛び石で簡単にフロントガラスにひびが入るのはガラスにこのような性質があるからです。飛び石は防ごうとして防げるものではありません。フロントガラスにひびが入った時に大切なことは、すぐに適切な処置を行うことです。そのまま放置していると次第にひびが広がり、走行中にガラスが割れることもあるので、たとえ小さな傷でも放置しないようにしましょう。
その場ですべき対処法
走行中の飛び石でフロントガラスに傷がついてしまったときは、慌てずに減速して安全な場所に車を停止させましょう。 車を停止させたら、まずはフロントガラスについた傷の程度を確認します。傷が浅く、範囲も米粒程度であれば緊急性はありませんが、あまりにも大きすぎる傷が入った場合、そのまま走行するのは危険なので、JAFなどを呼んで最寄りの修理工場まで運んでもらった方が良いでしょう。 フロントガラスの傷が修理で直るか交換が必要になるかはケースバイケースです。傷が浅く、深さもほとんど無ければ修理で対応することもできますが、フロントガラスのサイドにまで傷が及んでいる場合や、小さな傷でもかなり深い場合はガラスの交換が必要となります。フロントガラスの傷はガラスの重みや走行中の振動などによってどんどん広がります。初期の段階であれば修理だけで済む場合も少なくないので、ガラスの傷に気づいた時はできるだけ早めに専門業者に修理を依頼しましょう。
フロントガラス修理の相場!
専門業者に依頼してガラスの修理を行う場合の相場費用はおよそ2万円から4万円です。傷の大きさによっても変わりますが、修理にかかる時間は2時間ほどとなっています。 時間の都合などですぐに修理してもらえない場合は、傷が広がらないようにするため、応急処置として水を通さないビニールテープなどで傷がついた部分を保護しておくようにしましょう。亀裂の範囲が広い、あるいは傷が深すぎる場合は修理では対応できないのでガラスを交換することになります。フロントガラスの交換にかかる費用の相場はおよそ10万円です。ガラスに色が付いたぼかしガラスの場合は、さらに費用がかかる場合もあります。
ガラスの交換費用が高すぎると感じる場合は、中古ガラスの利用も検討しましょう。 中古ガラスであれば新品よりも安く、およそ半額程度で購入することができます。交換にかかる時間は3時間程度です。修理に比べると費用は高くなってしまいますが、リペアガラスのように傷跡が気になることはありません。それぞれの修理方法うち、どちらを選ぶかは好みや予算の問題となりますが、リペアで対応する場合は、修理後の仕上がりイメージなども交え、専門業者とよく相談してから決めることをおすすめします。
修理に保険を使うメリット・デメリット
車両保険に加入している場合は、保険を使ってガラスの修理や交換をすることができます。
車両保険を使ってガラスの修理を行えば、修理費用を負担せずにガラスを治すことができますが、その代わりとして自動車保険の等級がダウンする点に注意が必要です。 保険を使った修理にメリットがあるかどうかは、修理費用とランクダウン後の保険料で変わってきます。たとえば20等級の人が保険を使ってガラス交換を行った場合、翌年の等級は17等級にダウンしますが、17等級と20等級とでは年間に支払う保険料にそれほど大きな差が生じません。自分で支払って修理するより、保険を使った方がトータルではお得になると考えられます。しかし7等級の人が保険を使って修理した場合、ガラスの修理代よりも支払う保険料の方が高くなるかもしれません。どちらを選んだ方が良いかは人それぞれなので、ガラス修理費用の負担方法は、保険料なども考慮に入れて判断するようにしましょう。
自分に合った修理方法を選びましょう
フロントガラスは車の安全走行に欠かせないパーツです。飛び石などでフロントガラスに傷がついた場合は速やかに適切な処置をすることが大切となります。フロントガラスの傷はリペアで対応できるのか交換が必要となるのかはケースバイケースです。修理費用を自分で負担した方が良いのか保険を使った方が良いのかもそれぞれの人によって異なります。そこでフロントガラスに傷が入ってしまった場合には、上記の内容を参考にして、できるだけ早めに補修や交換をするようにしましょう。