ETCとは?
ETCとは「Electronic Toll Collection」の略であり、直訳すると 「電子通行税収集」システム となります。日本では高速道路の料金所で一時停車する事で発生する渋滞問題の解決を目指し、平成5年頃より本格的に研究着手されました。 ETC機能を搭載した車両が料金所付近の専用レーンを時速20km程で走行すると、車と料金所間で無線通信が行われ高速料金の自動決済が行われます。手動による支払いが不要になる為スムーズな車の導線を確保する事が可能です。
支払いは基本的に使用したETCカードに登録された口座からの自動引き落としとなります。ETCカードを持っていれば友人の車やレンタカーであっても、ETC対応車載機を搭載している車であれば利用可能です。現在ETCに関する公式の情報は管理団体である「一般財団法人ITSサービス高度化機構(ITS-TEA)」のwebサイトなどで確認する事が出来ます。
利用する為に必要なもの
ETCを利用するにあたって必要なものは「車載器」と「ETCカード」の2つです。
車載器は料金所のアンテナとの無線通信に必要なもので、通常カーショップでの取り付けには「取り付け工費」と「セットアップ料」がかかります。取り付けは電源の確保や配線の設置、セットアップは使用する車種情報などのデータを車載器に登録する作業です。費用はそれぞれ3000円程度が相場となっており、車載器の本体価格とは別で合計6000円前後の費用がかかります。
カーショップでセットアップを行う際には基本的に免許証や車検証、車載器の管理番号が分かるものの提出が必要です。中には車検証はコピーでも良いというお店もあるので詳しくは取り付けを行う店舗に確認してみましょう。中古品を取り付ける場合も前の所有者が一度セットアップを行っているので、再度セットアップが必要となります。誤った情報のまま利用すると法律で罰せられるケースもあります。
ETCカードは利用者を識別する為の情報や支払いに関するデータが組み込まれたものです。このカードを車載器に挿して各データを送信する事になります。車載器の設置よりもETCカードの発行に時間がかかる為、効率的にETCシステムを導入するには先にカード発行の手続きを進めておく事がオススメです。ETCカードの支払い方法はクレジットカードと同様である為、一般的なETCカードというのはクレジットカードと一体型になった物を指します。既にクレジットカードを持っている場合はオプションからカードの追加発行を、クレジットカードを持っていない場合には原則的に新たなクレジットカードの発行が必要です。
利用するメリット
ETCを利用する際はETC搭載車両専用レーンを通過する事になる為、車が止まる事はなく渋滞に巻き込まれる心配がありません。また深夜や平日の朝夕、休日などETC割引が適用されるシーン豊富で、高速道路の利用料金が手渡しの料金所を利用する場合よりも安く上がる場合が多いです。 付帯されているカードの特典などは日常生活で有効活用出来るものもあります。
その他にも、停車・発進という車の排気量が増えるアクションが減少する為地球温暖化の防止に繋がるなど、ETCはエコロジーなシステムでもあるのです。
利用するデメリット
ETC機能を利用する為には車載器の取り付け工事とカード発行の手続きが必要になる 為、中には面倒に感じてしまう人も居るでしょう。カードの種類も比較的多く、最初のうちは各カードの特典などを見てもどれが良いか迷ってしまいがちです。カードの発行に2週間程度かかる 点も、早く利用を始めたい人にとってはデメリットとなるかも知れません。うっかりETCカードを車載器に挿入せず専用レーンを通過してしまうと区間最大料金を請求されてしまう為注意が必要です。 また、公式ではサービスエリア停車中などでもETCカードの抜き取りは行わない事が推奨されているものの、クレジットカード機能が搭載されている以上放置しておく事が心配な人も居るでしょう。
ETCカードを作る上での審査について
ETCカードは基本的にクレジットカードに付帯される機能である以上、新規で発行する場合には通常のクレジットカードと同様の審査が行われます。 従って、個人信用情報がブラック状態になってしまっている場合はカードの発行が出来ないと言っても過言ではありません。ただし、クレジットカードを介さずにETC機能を利用出来る「ETCパーソナルカード」というカードも存在します。 ETCパーソナルカード事務局から発行されるカードであり、審査の必要が無い為個人信用情報がブラック状態の人でも発行が可能です。クレジット機能が付いていない以外の機能は通常のETCカードと同様であり、各種割引適用や手続きを行う事でマイレージサービスも利用可能となります。
ETCパーソナルカードは発行までの期間が約3週間であり、通常のETCカードよりも時間がかかる点に注意が必要です。また、支払い方法は口座引き落としとなっているものの別途「デポジット」と呼ばれる保証金を入金しなければなりません。月々のETC利用額を5,000円単位で切り上げた額の4倍がデポジットとなり、2万円単位で段階が設けられており申し込み時の最低額は2万円となっています(ETC利用料5,000円未満の場合は5,000円)。
高速道路を頻繁に利用しなくてもETCカードを持つ価値はある
「ETCは高速道路に沢山乗らないとメリットがない」と考えてしまう人も少なくありません。しかし、実際には導入費用に対して割引額が大きくすぐに元を取る事が可能です。加えて、付帯されているクレジットカードの特典でショッピング・ガソリン割引やマイレージポイント特典など様々な恩恵を受ける事も出来ます。いざ利用しようと思ってから手続きに乗り出すと、カードの発行や取り付け工事へ赴くなど意外と時間がかかってしまいがちです。早めに導入する事で恩恵を受ける期間はより長くなるため、この機会にETCカードへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。