個人の車売却との違い

社用車の売却は、基本的な流れは個人の車と同じですが、名義が法人であることによって準備するものが変わります。まず全体像を押さえましょう。
名義が法人になっている点が最大の違い
社用車は、車検証の所有者・使用者欄が会社名義になっています。そのため売却時には、個人の車のように契約者本人の実印・印鑑証明書ではなく、法人としての実印(代表者印)や法人の印鑑証明書を用意する必要があります。買取店とのやり取り自体は個人と大きく変わりませんが、書類の名義と押印の主体が「会社」になる点を意識しておきましょう。
決裁・社内手続きが必要になることがある
社用車は会社の資産(固定資産)として管理されているケースが多く、売却にあたって社内の決裁や、経理・総務部門との連携が必要になることがあります。特に複数の車両を保有している会社では、どの車をいつ手放すかによって、業務に使う車両のスケジュールにも影響するため、事前に社内で調整しておくとスムーズです。
複数台まとめての売却も相談できる
営業車や社用車を複数台まとめて入れ替える場合、車両ごとに個別で査定を依頼するよりも、まとめて相談したほうが手間を減らせることがあります。買取店によっては法人・複数台査定の対応していますので台数が多い場合は事前に相談してみるとよいでしょう。車両の使用場所が複数の拠点に分かれている場合は、出張査定に対応しているかどうかも、あわせて確認しておくと手続きがスムーズです。
必要な書類と準備

社用車の売却では、個人の売却よりも書類の種類が少し増えます。事前に何を準備すればよいかを整理しておきましょう。
法人が用意する主な書類
一般的に必要とされるのは、車検証、自賠責保険証明書、自動車税(種別割)の納税証明書に加えて、法人の実印(代表者印)、発行後3か月以内の法人の印鑑証明書です。個人の印鑑証明書は市区町村役場で発行されますが、法人の印鑑証明書は法務局(登記所)で取得する点が個人との違いです。法務局での発行には数日かかる場合があるため、あらかじめ早めに準備しておくと安心です。
会社の登記内容に変更があった場合
会社名や本店所在地の変更、代表者の交代などがあった場合は、変更内容を確認できる「履歴事項全部証明書」の提出を求められることがあります。車検証に記載されている情報と現在の登記情報が異なっていると、名義変更の手続きが複雑になることがあるため、心当たりがある場合は早めに買取店へ伝えておきましょう。
名義変更の手続確認も忘れずに
車を売却したあとは、車検証上の所有者・使用者を買取店側に変更する「名義変更」の手続きが必要です。多くの場合は買取店側が代行してくれますが、書類に不備があると手続きが滞ることもあるため、事前にどこまで代行してもらえるかを確認しておくと安心です。
社用車を売却する流れ
社用車を売却する際の大まかな流れは、個人の売却と共通する部分が多くあります。全体の流れを把握しておくと、準備がスムーズになります。
査定の依頼から契約まで
まずは買取店に査定を依頼し、車両の状態を確認してもらいます。概算の査定額に納得できれば、実車を確認してもらったうえで正式な買取価格が提示され、双方が合意すれば売買契約を締結します。この段階で、法人としての必要書類(実印・印鑑証明書など)を準備しておくと、その後の手続きがスムーズです。
書類の提出と名義変更
契約後は、車検証や印鑑証明書などの必要書類を提出し、買取店側で名義変更の手続きが進められます。会社の登記情報に変更がある場合は、このタイミングで履歴事項全部証明書などの追加書類が必要になることがあります。
引き渡しと入金
名義変更の手続きと並行して、車両の引き渡しが行われます。入金は、契約時に指定した法人名義の口座に振り込まれるのが一般的です。個人間の売買とは異なり、法人の場合は経理上の入金確認も必要になるため、入金予定日をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
社用車を高く売るためのコツ

社用車ならではの事情を踏まえたうえで、少しでも高く売却するためのポイントを紹介します。
整備記録簿・点検記録を残しておく
社用車は営業などで走行距離が多くなりがちですが、定期的な点検整備の記録が残っていれば「きちんと整備されてきた車」として評価につながりやすくなります。点検整備記録簿や車検証書、オイル交換などの記録は、売却前にまとめて確認しておきましょう。
社名ステッカーや社章は事前に確認する
社用車には、社名のステッカーやマグネット、社章などが付いている場合があります。売却前に取り外せるものは取り外し、車体に残った跡や汚れがあれば清掃しておくと、査定時の印象がよくなります。社内備品(ETC車載器、ドライブレコーダーなど)の取り外し忘れがないかも、あわせて確認しておきたいポイントです。あわせて、車内の書類入れや工具箱に会社の書類・私物が残っていないかも確認しておくと安心です。
決算期を意識した売却タイミングも検討する
車両の売却タイミングは、その事業年度の資産状況にも影響します。複数台の車両を保有している場合や、まとまった金額の車両を手放す場合は、決算期との兼ね合いを考えながら売却時期を検討する会社も少なくありません。また、季節や市場の需要によって買取相場が変動することも一般的に知られています。決算のタイミングだけでなく、市場の動きも踏まえて相談したい場合は、複数の時期で概算査定を取ってみるのも一つの方法です。具体的な会計処理・税務上の判断は、顧問税理士に確認しながら進めることをおすすめします。
手続きで注意したいポイント
最後に、社用車の売却でトラブルを避けるために押さえておきたい注意点を整理します。
担当者と決裁者の確認をそろえておく
売却の相談・契約を進める担当者と、実際に決裁を行う代表者・役員が別の場合、手続きの途中で確認事項が発生し、時間がかかることがあります。あらかじめ社内で誰が最終判断をするかを決めておくと、契約から引き渡しまでをスムーズに進めやすくなります。
車両管理台帳との整合を確認する
社用車を複数台保有している会社では、車両を管理する台帳(車両管理台帳や固定資産台帳)に登録されています。売却が決まったら、台帳側の登録内容(保有車両の一覧)も忘れずに更新し、実際の保有状況と帳簿上の情報を一致させておきましょう。車両ごとに任意保険(自動車保険)を契約している場合は、保険の解約・車両入替の手続きも忘れずに行うことが大切です。
複数社に相談して条件を比較する
法人の車両売却でも、個人の場合と同様に、1社だけで決めずに複数の買取店に相談し、査定額や対応を比較することをおすすめします。台数が多い場合や、特殊な用途の車両(商用バン、特装車など)の場合は、対応可能な買取店が限られることもあるため、事前に確認しておくと安心です。
社用車の売却でよくあるご質問
Q. 個人事業主が事業用に使っている車も、同じ流れで売却できますか?
A. 個人事業主名義の車の場合は、法人のような法人実印・法人の印鑑証明書ではなく、個人の実印・印鑑証明書で手続きできるのが一般的です。基本的な流れは本記事と共通する部分が多いですが、細かな必要書類は買取店に事前に確認することをおすすめします。
Q. 法人の印鑑証明書はどこで発行してもらえますか?
A. 法人の印鑑証明書は、法務局(登記所)で発行してもらいます。個人の印鑑証明書のように市区町村役場では発行できない点に注意しましょう。
Q. 社用車を売却したときの経理処理はどうすればよいですか?
A. 売却によって生じた損益の処理や消費税の扱いは、法人か個人事業主かなど条件によって変わるため、具体的な経理処理・確定申告の内容は顧問税理士や税務署に確認しながら進めることをおすすめします。
Q. 複数台の社用車をまとめて売却することはできますか?
A. 買取店によっては、法人・複数台の売却に対応した窓口を用意している場合があります。台数が多い場合は、まとめて相談できるかどうかを事前に確認するとよいでしょう。






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