過酷な夏を生き抜くための、小さな知恵。
連日の猛暑。太陽が容赦なく照りつける午後、少し外を歩くだけで汗が噴き出してくるような過酷な夏の一日。
ふと通りかかった駐車場で、思わず足をとめてしまいました。緑色の舗装からの照り返しが厳しい中、停められた車の下に小さな影が動いていたからです。そっと低い姿勢になって覗き込んでみると、そこには暑さを逃れてきた一羽のハトがいました。

を見るとわかるように、車の真下、日陰のど真ん中をしっかりと陣取っています。人間だけでなく、都市で暮らす鳥たちにとっても、この強烈な日差しは命に関わる脅威なのだと気付かされます。
少し角度を変えて様子をうかがっていると、ハトもこちらの気配に気づいたのか、タイヤのそばで立ち止まり、周囲をキョロキョロと見渡していました。それが

の様子です。ひび割れた緑色の地面から逞しく顔を出している雑草のそばで、「ここは本当に安全かな?」と確認しているような姿。車という巨大な鉄の塊が作り出す人工的な日陰は、彼らにとってこのコンクリートジャングルにおけるオアシスのようなものなのでしょう。
そしてしばらく見守っていると、とうとう最高にリラックスした姿を見せてくれました。

に収められた、完全に地面にペタンとお腹をつけて座り込んでしまった姿です。ハトがここまで無防備に休んでいるのを見るのは少し珍しいかもしれません。よほどこの日陰の地面がひんやりとしていて心地よかったのでしょう。人間がクーラーの効いた部屋で、冷たいフローリングに寝転がるのと同じ感覚なのかもしれません。
過酷な夏を生き抜くための、小さな知恵。
私たち人間は冷たい飲み物やエアコンに頼ることができますが、野生の生き物たちは自分たちで見つけたわずかな涼を頼りに、必死にこの猛暑を乗り切ろうとしています。次に車を運転する前は、もしかしたら車体の下にこんな小さな「避難者」が涼んでいるかもしれないと、少しだけ気をつけてみようと思いました。彼らにとっても、私たちにとっても、早く心地よい秋の風が吹いてほしいものだと願いながら、私は再び強い日差しの下へと歩き出しました。



